現代社会において、弁護士事務所が直面する最大の課題の一つが集客です。
近年、弁護士の数が増え続ける中で、顧客を獲得するためには効果的な集客方法が不可欠となっています。本ブログでは、弁護士事務所の集客が困難な理由と、その対策方法について詳しく解説していきます。
これから弁護士事務所を立ち上げる方や、既存の事務所で集客に悩んでいる方に役立つ情報を提供できることを目指しています。
1. 弁護士事務所の集客が困難な理由の詳細
弁護士事務所の集客はいくつかの理由により困難とされています。以下でその詳細を解説します。
(1) 弁護士の数が増え続けている
最近、弁護士の数は急速に増加しています。2020年には42,164人にまで増えました。
このような飽和状態の中で、集客対策を講じていない弁護士は顧客の確保に苦戦しています。
(2) 依頼者(顧客)からの認知がない
弁護士探しの最も一般的な手段は、知り合いからの紹介です。
また、インターネットの情報を利用することも多いです。しかし、既存の顧客が少なかったり、ホームページが存在しなかったりする弁護士は、依頼者から認知されにくい状況にあります。
(3) 弁護士事務所の差別化が図りにくい
弁護士事務所が顧客から選ばれるためには、専門性や費用、対応の良さ、立地などの要素が重要です。
しかし、弁護士の数が増え続けている現代社会では、特定の分野に特化していない、実務経験が少ない、料金体系がわかりにくいなどの問題が顧客にとっての選択肢となります。
そのため、集客を成功させるためには、他との差別化が必要です。
(4) 依頼を受けられる人数に限りがある
弁護士による相談が契約に結びつかない場合があります。
そのため、次の依頼者を探す必要があります。しかし、集客の軸を顧客からの紹介に置いている場合、たくさんの依頼が舞い込むとは限りません。
依頼者に自身の存在を知ってもらう機会が少ない場合、ホームページやSNSなどのツールを活用することで集客を促進することができます。
(5) 信頼や安心のイメージを持たれづらい
弁護士に依頼する際、費用面の心配以外にも、近寄りがたいイメージや解決までに時間がかかるといった懸念があります。
このため、親身な対応や明確な説明を心がけて顧客の不安を取り除くことが重要です。集客に成功するためには、顧客に対して信頼や安心を感じさせることが大切です。
以上が弁護士事務所の集客が困難な理由です。これらの理由に対処するためには、効果的な集客方法を活用し、顧客にアピールする必要があります。
2. 弁護士の数が増え続けている
弁護士数の増加傾向
近年、弁護士の数が増え続けており、市場には供給過多の状況が続いています。
この増加の背景には、司法制度改革による司法試験合格枠の拡大があります。以下に、弁護士の人数に関するデータを示します。
- 2018年時点での弁護士人口は40,066人で、2009年の統計から1.5倍に増加しています。
- 2021年3月31日時点での弁護士数は43,206人(女性8,335人を含む)です。
- 日本弁護士連合会によると、2023年4月1日時点での弁護士会会員数は44,961人(女性8,914人を含む)であり、将来予測では2048年には64,431人でピークに達するとされています。
弁護士の数が増え続けている現状からも、将来的にも弁護士の数は増え続けることが予想されます。
3. 依頼者(顧客)からの認知が不足している
弁護士事務所が集客で困難に直面する一つの原因は、顧客からの認知が不足していることです。自身の存在や情報を効果的に発信することで、顧客から認知される必要があります。
以下に、依頼者からの認知を高めるための方法をいくつかご紹介します。
インターネットの活用
インターネットは多くの人々が利用している情報源ですので、自身の情報を発信するのに適しています。
自分のホームページに弁護士事務所の専門性や得意分野、無料相談についての情報を掲載することで、顧客からの認知を高めることができます。
チラシ広告の活用
チラシ広告は、ターゲットとする地域に配布することで効果的に認知を広げることができます。
事務所の特徴やセミナーの案内などをチラシに掲載し、顧客への認知を高めましょう。
口コミや紹介の活用
知人や依頼者からの口コミや紹介は、強力な集客手段です。
顧客満足度を高め、その信頼を基に紹介してもらえるような対応を心がけましょう。
イベントやセミナーの開催
弁護士の専門知識や情報を提供するイベントやセミナーを開催することで、顧客からの認知を高めることができます。
顧客が抱える問題への解決策や役立つ情報を提供することで、顧客の信頼を勝ち取ることができます。
これらの方法を組み合わせて活用することで、より多くの顧客からの認知を得ることができます。顧客から認知されることは集客の第一歩ですので、積極的に取り組んでみましょう。
4. オフラインでの弁護士事務所の集客方法
弁護士事務所の集客には、Webを活用するだけでなく、オフラインの方法も有効です。
以下にオフラインの集客方法を3つ紹介します。
4-1 セミナーの開催
セミナーの開催は、弁護士事務所の認知度を上げるために効果的です。
複数人に向けて情報を発信し、集客にも有効です。セミナーを通じて顧客との信頼関係を築くこともできます。ただし、知名度が低い場合は参加者を集めることが難しいかもしれません。
そのため、SNSを利用した集客施策と組み合わせることをおすすめします。
4-2 チラシの配布
チラシの配布も集客の手段の一つとして有効です。定期的にチラシ広告を行うことで、弁護士事務所の地域での認知度を高めることができます。
ただし、頻繁にチラシを配布すると「仕事がない」というイメージを与える可能性があるため、注意が必要です。
4-3 交通広告
交通広告は、タクシーや電車などの交通機関を利用した広告手法です。社会人や高齢者などターゲットとすることができます。
ただし、交通広告の掲載には時間や費用がかかり、費用対効果も確かめにくい側面があります。したがって、効果的な広告を行うためには、明確なターゲットを設定し、慎重に検討する必要があります。
オフラインの集客方法とWeb集客を組み合わせることで、より効果的な集客が可能となります。特定のターゲット層にアプローチするためには、上記のオフライン集客方法を積極的に活用しましょう。
5. 弁護士に取り組んでもらいたい6つの集客方法
弁護士にとって集客は重要な課題です。
ここでは、弁護士が取り組むべき6つの集客方法を紹介します。
1. セミナーを開催する
セミナーは、弁護士にとって有効な集客方法です。セミナーを通じて、トラブル解決の依頼を増やすことができます。
セミナーでは顧客と対面し、信頼感を得ることができます。また、複数の参加者がいるため、潜在顧客との接点も多くなります。これにより、顧客との距離を縮め、個別相談に申し込みやすくすることもできます。
2. ホームページを作成する
弁護士にとって重要な集客ツールとしてホームページがあります。ホームページを通じて、検索エンジンから新規の顧客を獲得することができます。ただし、ホームページの集客にはSEO対策が必要です。
キーワードの選定や質の高いコンテンツ制作、タグの設定、文字・画像の最適化など、様々な項目に注意が必要です。ホームページの集客は時間がかかることもありますが、長期的な計画を立てて取り組むことで効果を得ることができます。
3. ブログを運営する
ブログは、弁護士が集客するためのもう一つの手段です。法律に関連する記事を掲載することで、弁護士と読者の信頼関係を築くことができます。ブログを通じてセミナーや相談会の情報を発信することもおすすめです。
また、法律の解説記事や暮らしに役立つ法律情報など気軽に読めるような内容を発信することも重要です。親しみやすい記事を書くことで読者が楽しみながらブログを読み、顧客との信頼関係を築きましょう。
4. SNSを活用する
SNSを活用することも弁護士の集客方法の一つです。多くの人がSNSを利用しており、SNSを活用することで顧客との関係を構築することができます。SNSの広告費は比較的少額で済み、無料の投稿やツイートが拡散されやすいというメリットがあります。
弁護士がSNSを活用する際には、公式LINEやTwitter、Facebook、Instagram、YouTubeなどを積極的に活用しましょう。それぞれのSNSの特徴を活かし、顧客とのコミュニケーションを図ることが重要です。
以上が、弁護士に取り組んでもらいたい6つの集客方法です。自身の事務所に合った方法を取り入れ、集客を成功させましょう。
まとめ
弁護士の集客は困難な課題ですが、適切な集客方法を活用することで顧客からの認知を高めることができます。
弁護士の数の増加や顧客からの認知不足などの問題に対処するために、セミナーの開催やホームページの作成、ブログやSNSの活用などの集客方法を積極的に取り入れましょう。また、顧客に対して信頼や安心を感じさせることも重要です。
弁護士の集客には時間がかかることもありますが、継続的な取り組みと努力が必要です。自身の事務所に合った方法を選び、集客を成功させましょう。