整骨院・接骨院経営の厳しい現状について、本ブログではその理由や背景、そして対策について詳しく解説していきます。
供給過剰や競合店の増加、保険請求の厳格化など、この厳しい状況を引き起こす要因を探り、生き抜くためのポイントや経営改善の方法についても触れていきます。整骨院経営者の方はもちろんのこと、これから 整骨院・接骨院を開業しようと考えている方も、ぜひ参考にしてください。
1. 整骨院・接骨院の経営が厳しい状況とは
整骨院・接骨院の経営は現在、非常に困難な状況に直面しています。この厳しい状況はいくつかの要因によって引き起こされています。
まず第一に、整骨院・接骨院の数が増え、競争が激化していることが挙げられます。柔道整復師の数や施術院の数が増えており、供給が過剰になっています。これにより、患者の選択肢も増え、集客が困難になっています。
その上、新型コロナウイルスの影響により、整骨院・接骨院の廃業も増えています。感染拡大を抑えるための外出自粛や営業制限により、多くの施術院が経済的な打撃を受け、経営が困難になっています。
さらに、保険請求の厳格化も整骨院・接骨院の経営を難しくしています。保険による収入は限られており、不正請求や水増し請求などの問題が発生しています。保険請求にかかるリスクやコストも高まっており、経営に悪影響を及ぼしています。
また、資金調達の難しさも整骨院・接骨院の経営を困難にしています。経済の不振や保険の不正請求などが原因となり、銀行や融資機関からの融資が難しくなっています。経営資金の確保が難しいため、設備の改善や新しい技術の導入ができず、競争力の強化が困難になっています。
整骨院・接骨院の経営が厳しい状況とは、競争激化、廃業増加、保険請求の厳格化、資金調達の困難性などが主な要因とされています。このような問題に取り組むためには、経営改善策が不可欠です。具体的な施策として、他の院との差別化や新しいメニューの導入、患者への提供価値の向上などが考えられます。
2. 経営が厳しくなる理由:供給過剰や競合店の増加
整骨院・接骨院の経営が厳しい状況に直面している理由の一つは、供給過剰と競合店の増加です。
市場には整骨院が急増し、競合店も増えることで、経営に大きな影響を与えています。以下に、この理由について詳しく説明します。
供給過剰
整骨院・接骨院の数が急激に増加したため、市場で供給過剰の状況が生まれています。
特に都市部では、整骨院が数百メートルごとに立ち並ぶ光景も珍しくありません。顧客は分散し、一店舗あたりの収入が減少する傾向があります。
競合店の増加
整骨院・接骨院の数だけでなく、競合店も増加しています。特に大手チェーンやグループ店舗の出店が増えたことで、個人経営の整骨院にとっては厳しい競争相手となっています。
大手チェーンやグループ店舗は、経営ノウハウや集客力を持っており、個人経営の整骨院にとっては挑戦が難しい状況です。
価格競争
供給過剰や競合店の増加により、整骨院業界では価格競争が激化しています。特にインターネット上での情報の公開や口コミサイトの普及により、患者は価格を比較しやすくなっています。
その結果、施術料金の安売りが行われることも増えています。個人経営の整骨院が価格競争に勝つためには、他の差別化されたサービスや施術内容を提供する必要があります。
集客の困難さ
供給過剰や競合店の増加により、患者の集客が困難になっています。整骨院業界では、患者の口コミやリピート率が重要な集客手段となっていますが、競合店が増えるとこれらの手段も制約を受けることがあります。
また、インターネット広告やSNSを活用した集客も一般的ですが、差別化が求められるためには運営コストや工夫が必要です。
以上の理由から、整骨院・接骨院の経営は厳しい状況に直面しています。特に個人経営の整骨院は、供給過剰や競合店の増加に加えて、価格競争や集客の困難さという課題に直面しています。しかし、経営力の向上や差別化されたサービスの提供、集客手法の工夫を行うことで、厳しい状況でも生き残ることができるでしょう。
3. 廃業数の現状
近年、整骨院や接骨院の廃業数が増加しています。特に2018年には過去最高の廃業数が記録されました。
廃業の要因はさまざまであり、以下のような理由が主要なものとして挙げられます。
1. 競争の激化
整骨院や接骨院の施設数が急速に増加しており、競合店舗の増加によって競争が激化しています。
それに伴い、売り上げの確保が困難になり、経営が厳しくなる施術所も多く存在しています。
2. 経営知識の不足
整骨院を経営するためには、施術の技術だけでなく、正しい経営知識も必要です。
しかし、経営知識が不足しているため、売上の増加や経費の節約などがうまく実行できず、経営が傾いてしまう場合があります。
3. 療養費の不正請求と摘発
近年、整骨院や整体院などの施術所での療養費の不正請求が問題視されています。この不正請求が摘発されることで、施術所の収入源である療養費が減少し、廃業に追い込まれるケースもあります。
さらに、コロナ禍の影響により外出自粛が広まり、整骨院への来院数も減少しました。これも廃業数の増加につながっています。
廃業を防ぐためには、経営知識の向上や競争力の強化が重要です。また、自己分析や経営データの分析によって現状を把握することも必要です。
整骨院の廃業数の増加は深刻な問題ですが、適切な経営戦略や新規メニューの追加、顧客とのコミュニケーションの強化など、積極的な取り組みにより廃業を防ぐことが可能です。経営改善に向けた適切な取り組みを怠らず、業界の厳しい状況にも立ち向かいましょう。
4. 経営改善の方法・新規メニューの追加
整骨院の経営改善や立て直しのためには、新規メニューの追加が有効な手段です。
以下では、経営改善の方法と新規メニューの追加について詳しく解説します。
4.1 強みを打ち出し差別化を図る
まずは、自院の強みを明確にし、他院との差別化を図ることが重要です。
患者さんにとって魅力的な特徴や特色を打ち出し、その特徴をアピールすることで、競合店との戦いに勝つことができます。
以下は、具体的な差別化の方法です:
– スポーツ障害や特定の疾患に特化した施術・治療法の提供
– 女性や高齢者など特定のターゲット層に対する専門的なサービスの提供
– 整骨院のアットホームな雰囲気やスタッフの対応など、院内環境や接遇において差別化を図る
4.2 自費診療メニューの導入
保険診療だけではなく、自費診療メニューの導入も重要です。
保険請求審査が厳しくなり、保険診療だけでは経営が支えられない状況にあるため、自院に合った自費診療メニューを導入しましょう。
自費診療メニューの導入には以下の効果が期待できます:
– 経営の安定:療養費の削減など保険診療に頼らなくても収益を確保できる
– 差別化:他院との差別化を図ることができる
– 顧客ニーズのカバー:保険診療では提供できない施術やサービスに対応できる
自費診療メニューの具体的な導入例は以下です:
– 針治療や骨盤矯正
– 保険適用外のマッサージやストレッチ
– 運動療法
患者さんのニーズに合わせたメニューを設定し、差別化を図りましょう。
4.3 適切な価格設定と値引き策
自費診療メニューの価格設定には慎重に取り組む必要があります。
価格が高すぎれば患者さんの来院ハードルが上がり、反対に安すぎれば利益が出ません。
価格設定の際には、まず売上目標を設定し、その目標に合わせた客単価を逆算して設定することが重要です。適切な価格設定を行い、安易な値下げや安売りを避けましょう。
また、値引き策を検討する場合でも、適切な戦略が必要です。ただ安く提供するだけではなく、特典やサービスの充実など付加価値を提供することで、顧客の満足度を高めることが大切です。
整骨院の経営改善と新規メニューの追加は、競合店との差別化や収益の確保に効果的です。自院の強みを打ち出し、差別化を図ることで成功することができます。自費診療メニューの導入や適切な価格設定を行い、経営の安定化や患者のニーズへの対応を図りましょう。経営改善の方法と新規メニューの追加を組み合わせながら、整骨院の経営を成功させましょう。
5. 生き抜くためのポイント:売上データの明確化や患者とのコミュニケーション
整骨院や接骨院の経営者にとって、生き抜くためには売上データの明確化や患者とのコミュニケーションが非常に重要です。以下では、具体的なポイントを紹介します。
5.1 売上データの明確化
売上データの明確化は、経営改善のために欠かせません。
経営者は売上管理や資金の管理を正確に行うだけでなく、その情報を元にどのように改善するかを考える必要があります。
以下は、売上データの明確化に役立つポイントです。
- 利益の把握:売上目標を設定し、売上から人件費や固定費を考慮して利益を把握する。
- 資金の管理:将来的にかかる設備投資や宣伝広告費を把握し、必要な資金を確保する。
適切な売上データの管理と資金管理により、整骨院や接骨院は安定した経営を実現することができます。
5.2 患者とのコミュニケーション
患者とのコミュニケーションも整骨院や接骨院の経営において非常に重要です。
より良いコミュニケーションを築くことで、患者の満足度や信頼感を高めることができます。
以下は、患者とのコミュニケーションを向上させるためのポイントです。
- カウンセリング技術の向上:患者の症状や要望を的確に理解し、適切な施術を提供するためにはカウンセリング技術の向上が重要です。
- 丁寧な対応:患者に対して丁寧な対応を心掛けることで、信頼関係を築くことができます。
- フォローアップ:施術後の患者の状態をフォローアップすることで、患者のケアに対する継続的な関心を示すことができます。
患者との良好なコミュニケーションを築くことで、患者は自らの要望や状態を理解していると感じ、整骨院や接骨院を選ぶ理由となります。
以上のポイントを押さえながら、売上データの明確化と患者とのコミュニケーションを強化することで、整骨院や接骨院の経営をより安定させることができるでしょう。
まとめ
整骨院や接骨院の経営環境は現在、厳しい状況にあります。供給過剰や競合店の増加、廃業数の増加、保険請求の厳格化、資金調達の難しさなど、様々な要因が重なってこのような状況が生まれています。
しかし、このような困難な状況でも経営改善策や新規メニューの追加、売上データの明確化や患者とのコミュニケーションなど、取り組むべきポイントがあります。
経営改善のためには、自院の強みを打ち出し差別化することや自費診療メニューの導入、適切な価格設定と値引き策などが重要です。また、売上データの明確化や患者とのコミュニケーションの強化も生き残るためには欠かせません。
整骨院や接骨院の経営は困難な状況かもしれませんが、適切な経営戦略や積極的な取り組みによって、成功を収めることができます。経営改善に向けて取り組むことを怠らず、業界の厳しい状況にも立ち向かっていきましょう。