現代社会では、従来の雇用形態とは異なる働き方が増えています。
個人事業主や自営業者として事業を行う人も少なくありません。
この記事では、個人事業主と自営業者の違いや、自営業者としての働き方のメリット・デメリットについて解説しています。
自営業に興味がある方や、将来独立して事業を始めたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
1. 個人事業主と自営業の違い
個人事業主と自営業は、いくつかの相違点があります。以下にそれぞれの違いを見ていきましょう。
定義の違い
個人事業主は、法人化せずに個人で事業を営む人のことを指します。
一方、自営業は法人化している場合もありますが、基本的には個人で事業を営むことを指します。
税制の違い
個人事業主は、所得税法に基づいて事業所得を申告し、納税を行います。
一方、自営業者は法人化している場合、法人税を納税する必要があります。
所得税と法人税の対象や計算方法が異なるため、税制面での違いが存在します。
経費計上の違い
個人事業主は、業務に関連する経費を計上できます。
例えば、事業に必要な材料の購入費や広告宣伝費などが経費として計上可能です。
一方、自営業者は法人経営者として経費を計上しますが、法人の経費計上にはより厳格な制限があります。
責任範囲の違い
個人事業主は、事業における全ての責任を自己負担する必要があります。
つまり、事業で生じた損失や債務は全て個人の資産で補填しなければなりません。
一方、自営業者は法人としての責任を負い、会社の債務は社員個々の資産には及びません。個人財産と法人財産が分離されている点が異なります。
法的地位の違い
個人事業主は、法人組織を設立せずに事業を行うため、法人としての法的地位は持ちません。
一方、自営業者は法人化している場合、法人としての法的地位を有します。法人化することにより、事業活動に関わる契約や法的手続きなどが容易になります。
以上が、個人事業主と自営業の主な相違点です。それぞれの違いを理解し、事業形態を選択する際に考慮すると良いでしょう。
2. 個人事業主とは
個人事業主とは、法人を設立せずに個人で事業を営む人を指します。
個人事業主は法人ではないのが特徴であり、税務署に開業届を提出して事業の開始を申請する必要があります。
個人事業主は自営業者とは異なります。自営業者は自ら事業を営んで収入を得ることを指しますが、法人化している場合もあります。
一方、個人事業主は個人で事業を営んでいるため、法人化していないです。
個人事業主はフリーランスとも関連しています。フリーランスは特定の雇用関係に結ばれずに個人で仕事を受けるスタイルのことであり、個人事業主と区別される場合もあります。
個人事業主の特徴は以下のとおりです。
- 柔軟な働き方: 個人事業主は自身の裁量によって働き方を決めることができます。他の会社や組織に所属する必要はありません。
- スキルの最大活用: 個人事業主は自身の専門知識やスキルを活かしながら、自分自身で事業を展開することができます。
一方で、個人事業主には以下の点に注意が必要です。
- リスクの負担: 収入が安定せず、税金の管理が難しい場合には、個人事業主としてリスクを負う必要があります。
- 給料の安定と社会的信用のハードル: 個人事業主の給料は不安定な場合があり、経済的な不安定さが生じる可能性があります。また、個人事業主は会社員と比べて社会的信用が低いことがあります。
個人事業主は開業届の提出が必須ではありませんが、事業を行っている場合は税金の申告と納付をするために確定申告を行う必要があります。
この責任は個人事業主自身にあります。以上が「個人事業主とは」の概要であり、個人事業主は法人化せずに個人で事業を営む形態ですが、リスクや税金の管理などの面でも責任を負う必要があります。
3. 自営業者のメリット
自営業として働くことには、以下のようなメリットがあります。
3.1 自由な働き方ができる
自営業者は、自分自身で働く時間や場所を自由に決めることができます。
会社員とは異なり、自分のスケジュールに縛られずに、自分のペースで働くことができます。
これにより、自分のライフスタイルや家族の都合に合わせて働くことができます。
3.2 成果に応じた収入を得ることができる
自営業者は、自分の成果に応じて収入を得ることができます。
売り上げが増えれば収入も増えるため、自分の努力次第で収入を増やすことができます。
また、会社員と異なり、給料が固定されていないため、自分の成果を適切に評価されることができます。
3.3 税金の節減ができる
自営業者は、経費を計上することで税金の節減を図ることができます。
例えば、業務に必要なパソコンや通信費、交通費などは経費として計上することができます。
このように経費を計上することで、所得税や消費税などの税金負担を軽減することができます。
3.4 自己成長とスキルアップの機会がある
自営業者は、自分の事業を経営するため、経営全般の知識やスキルを身につける必要があります。
そのため、自己成長やスキルアップの機会が豊富にあります。経営に関する知識やスキルを習得することで、より良い事業運営ができるようになります。
3.5 やりがいや自己実現の機会がある
自営業者は、自分自身で事業を運営することができるため、自分のアイデアやビジョンを実現する機会があります。
自分の思い描く理想の事業を創り上げることで、大きなやりがいや自己実現感を得ることができます。
自営業者として働くことには、自由な働き方、成果に応じた収入、税金の節減、自己成長とスキルアップ、やりがいや自己実現の機会など多くのメリットがあります。
これらのメリットを活かしながら、自分の能力やリスクを考慮し、自営業を始めるかどうかを検討することが重要です。
4. 自営業者のデメリット
自営業者として働くことには、いくつかのデメリットが存在します。以下では、自営業者にとってのデメリットを紹介します。
4.1 収入の不安定性
自営業者として働くと、収入が安定しない可能性があります。
特に事業が立ち上がるまでは、収入がほとんど得られないこともあります。
景気の変動や取引先の状況によっても収入が左右されるため、収入の安定性には注意が必要です。
4.2 保険料の自己負担
自営業者は、社会保険料を全額自己負担する必要があります。
健康保険や年金などの保険料は、自営業者自身で支払わなければなりません。これにより、経済的な負担が大きくなる可能性があります。
4.3 借入審査の難しさ
自営業者としての収入の不安定さから、個人の信用力が低いと見なされる場合があります。
そのため、銀行などからの借入審査に通りにくくなることがあります。事業の拡大や設備投資を行う際には、融資を受けることが難しくなる可能性もあります。
4.4 確定申告の手間
自営業者は、毎年確定申告を行わなければなりません。
確定申告では、1年分の収支に関する情報を正確にまとめ、税金を計算しなければなりません。
この手続きには時間がかかるだけでなく、税金の計算や書類の作成にも手間がかかる場合があります。
4.5 1人での業務遂行
自営業者は、1人で事業を運営しなければなりません。事務作業、経理業務、営業活動など、多岐にわたる業務を1人でこなさなければなりません。
これにより、業務の多忙さや負担が増える可能性があります。
以上が、自営業者にとっての主なデメリットです。自営業を始める際には、これらのデメリットに対しても十分な準備と覚悟が必要です。
5. 自営業を始める手順
自営業を始めるためには、次の手順を追うことが重要です。
1. 業種を決める
自分のスキルセットや人脈、市場の需要や将来性を考慮して、成功できそうな業種を検討しましょう。
2. 開業場所を決める
業種や事業規模によって異なりますが、自宅や専用の事務所、店舗など、事業を展開する場所を検討しましょう。
3. 開業に必要な手続きをする
開業のために必要な公的な手続きを進めましょう。
個人事業主の場合は開業届の提出が必要であり、法人化する場合は法人登記や法人設立届出書の提出が必要です。
また、必要な資格や許可がある場合には、それらの手続きも行いましょう。
4. 初期費用を抑える
初期費用を抑えることが重要です。
貯金を使って経営を支えるため、初期費用をなるべく削減するように計画しましょう。
5. 継続的な仕事の確保
仕事を継続的に確保することが重要です。
仕事が途切れて収入が不安定になると生活にも影響が出ますので、継続して働ける職種や需要のある業界を選ぶようにしましょう。
6. 確定申告などの税務手続き
確定申告などの税務手続きも行う必要があります。
開業届の提出や青色申告承認申請などに注意しながら、税金に関する手続きを適切に行いましょう。
7. 自己成長とスキルアップ
自己成長とスキルアップを図ることが重要です。
自分自身の能力や知識を向上させるために、自己投資や勉強会、セミナーへの参加などを積極的に行いましょう。
以上が自営業を始めるための基本的な手順です。
自分の能力や環境を考慮しながら、計画を立て、迅速かつ適切に行動することが成功の鍵となります。自営業をステップバイステップで進めていきましょう。
まとめ
個人事業主と自営業にはそれぞれ特徴があり、メリットやデメリットが存在します。自由な働き方や収入の柔軟性、専門性の活用といった点で自営業は魅力的ですが、収入の不安定さや事務手続きの煩雑さなども課題となります。
自営業を始める際は、これらの要素を十分に検討し、自分にあった形態を選択することが重要です。
自営業を始める上で必要な各種手続きを丁寧に進め、継続的な仕事の確保とスキルアップに努めることで、より良い自営業生活を送ることができるでしょう。