YouTubeを活用した集客とは?

集客・宣伝動画をYouTubeに投稿して集客を図ることをYouTube集客と呼びます。動画内容は企業ごとに異なり、商品・施設紹介の動画・サービス内容の説明動画・自社ビジネスに関連した内容の動画など、さまざまです。昨今は店舗スタッフの人柄を押し出した動画も増加しており、これはインフルエンサーマーケティングに近い活用方法のひとつといえるでしょう。
YouTubeは2020年時点で月間利用者数が6,500万人を超えており、世界最大級の動画プラットフォームとなっています。幅広いジャンルの動画が投稿されており、それぞれのジャンルである程度の視聴ユーザーやニーズが存在していることから、さまざまな業種で活用しやすいSNSでしょう。動画や音声メディアは情報量が多いことから、今後も安定して利用され続けることが期待できます。
YouTubeを活用した集客のメリット

ほかのSNSと比べて、YouTubeで集客するからこそのメリットは複数あります。これは、動画メディアだからというだけでなく、ユーザー数・YouTube検索の仕組み・Googleの子会社であることなど、さまざまな要因によって、数多くのメリットが生まれているといえるでしょう。こうしたメリットを把握しておくことは、動画投稿のモチベーション維持や効果的な活用に大切なことです。
以下でYouTube集客のメリットを解説しますので、これからYouTubeへ動画投稿をしようと考えている方はぜひ参考にしてください。
YouTubeを活用した集客のメリットは以下の4つです。
- 入店のハードルを下げることができる
- 文字メディアや音声メディアに比べて情報量が多い
- SEO(検索エンジン最適化)に強く、上位表示できる可能性がある
- 低コストで集客ができる
それぞれ詳しく解説していきます。
入店のハードルを下げることができる
あなたのお店を利用したことがない人にとって、お店の雰囲気・スタッフの人柄・扱っている商品などは来店するかどうかを左右する重要な情報です。特に高価な商品を扱っている場合、ハードルが高くて行きにくいと感じている人もいるかもしれません。
YouTube動画で集客をすると、店内やスタッフの人柄が伝わりやすく、店内の情報がまったく分からない場合と比べて来店しやすいと感じるケースが多いでしょう。
文字メディアや音声メディアに比べて情報量が多い
YouTubeを使った動画集客は、視覚情報と聴覚情報を組み合わせて店舗・商品・サービスなどの内容を伝えられるため、文字メディアや音声メディアに比べて情報量が多いのも強みです。商品の質感・お店の内装・食感や使い心地など、さまざまな情報をよりリアルに感じてもらいやすく、あらゆる業種においてメリットになります。
また、スタッフの話し方や人柄も動画のほうが伝わりやすいです。「優しそう」「親切そう」といった印象をもってもらえれば、より集客につながる効果が期待できます。
SEO対策(検索エンジン最適化)に強く、上位表示できる可能性がある
SEO対策とは、自店のホームページ等を検索上位に表示させるための取り組みを指します。ホームページ運営の際に重要な施策ですが、業種や地域によっては競合が多く、上位表示させるのが困難なケースも少なくありません。
しかし、YouTubeであれば検索上位を取れる可能性が高いジャンルが多く、有利といえます。また、YouTube動画はGoogle検索の結果画面1ページ目にいくつかまとめて表示されることが多いので、上位表示されるとGoogle検索からの流入が見込めるといったメリットもあります。
低コストで集客ができる
YouTube集客は広告宣伝費やサービス利用料金などがかからないため、非常に低コストで始められます。
昨今では無料の編集アプリがあるため、スマートフォンで撮影して無料の編集アプリを使えば、ほとんどコストをかけずにある程度のクオリティの動画を制作することが可能です。また、リスティング広告とは異なり、継続して利用する場合でもコストを低く抑えられるのもYouTube集客のメリットでしょう。
YouTubeを活用した集客のデメリット

コストが抑えられる点や情報量の多さなどメリットの多いYouTube集客ですが、デメリットも存在します。デメリットを把握していなかったばかりにまったく効果を出せなかったり、自社に適していないにも関わらずYouTube集客に多大な時間と労力を費やすことになってしまいます。
また、デメリットを把握しておくことで、YouTube集客における弱みを認識し、その弱みを克服するかたちで運営していくことも可能です。他社と差別化を図るといった観点からもデメリットの把握は重要なので、ぜひ以下で解説するデメリットを参考にしてください。
YouTubeを活用した集客のデメリットは以下の4つです。
- 即効性が低く、数か月間は効果が見られないことが多い
- 動画制作の手間がかかる
- ジャンルによっては、既に多くの競合が参入している場合もある
- 動画編集スキルが必要で、外部委託する場合はコストがかかる
それぞれ詳しく解説していきます。
即効性が低く、数か月間効果が見られないことが多い
YouTube集客をスタートして最初に立ちはだかる壁は、チャンネル登録者数の少なさです。
ほかのSNSである程度のフォロワーを獲得している企業であっても、そのフォロワーがそのままYouTubeに流れるとは断言できません。むしろ投稿自体を見ていない人やキャンペーン情報のみに注目しているといった人も多い可能性があり、そうした場合はチャンネル登録者を獲得するのに苦戦することも少なくないでしょう。
YouTubeは毎日さまざまな動画が投稿され続けているため、せっかく動画を投稿してもほかの動画に埋もれてしまい、まったく見てもらえないこともあります。チャンネル登録者1,000〜5,000人を目指している場合、数か月間かかることも珍しくないと考えておいた方が良いでしょう。
動画制作の手間がかかる
動画制作は、字幕付け・BGM選定・音声編集・カット編集などを含めるとかなりの作業量になってしまい、10分程度の動画であっても、慣れていないと編集に数時間〜数日かかることもあります。今までホームページやSNSで集客を行っていた方にとっては、1つの動画を作るのに労力と時間がかかりすぎると感じることも少なくありません。
また、動画撮影に慣れていない場合、しゃべり間違いや言葉に詰まってしまうことで撮り直しになる回数も多くなりがちです。いざ撮影してみると暗い印象になっていたり声が小さいことに気付き、1本の動画を撮影するために何度も撮り直しを重ねることがストレスで、投稿をやめてしまうケースもあります。
ジャンルによっては、既に多くの競合が参入している場合もある
TwitterやInstagramに比べて投稿に手間のかかるYouTubeは、数年前まで参入企業が少なかったため、かなり優位に集客を進められる状況でした。
しかし、スマートフォンのカメラが向上して動画撮影が容易になり、無料で優秀な動画編集アプリが増えたことで、小規模事業者もYouTubeに積極的に参入するようになり、結果としてレッドオーシャンになっているジャンルや業種が増えています。
YouTube集客の場合は、動画撮影や編集など投稿までの手間がかかります。そのため、レッドオーシャンのジャンルに挑戦して半年〜1年ほど経過してもまったく効果が出なかった場合の費用対効果はとても低くなってしまうでしょう。このことから、YouTube集客をスタートする場合は「具体的にどのような動画を投稿するか」を考えて、その内容と類似している競合をしっかりと調査してからスタートしてください。
動画編集スキルが必要で、外部委託する場合はコストがかかる
動画編集には、ある程度の知識とスキルが必要です。昨今はYouTube集客をする企業が増えたために全体的な動画クオリティが上がっており、知識やスキルがない状態で挑戦するのは難しくなっています。クオリティの低い動画を投稿してしまうと、高クオリティな動画を見慣れている視聴者は違和感を覚えてしまい、ブランドイメージを傷つける恐れもあるでしょう。
動画編集の知識やスキルがない場合は「外部委託」も考えられますが、SEO対策・文章作成・SNS投稿代行と比べると平均相場が高い状況です。相場より低い価格で委託すると低品質な動画を制作されてしまうリスクもあるため、結果として想定外に多くのコストがかかってしまうこともあります。
YouTubeの始め方

YouTube集客のメリット・デメリットも把握したうえで「YouTube集客を行おう!」と決断した方は、さっそく動画投稿とチャンネル運営をスタートしましょう。アメリカのソフトウェア企業であるDOMOが調査した結果によると、YouTubeには毎分500時間もの動画が投稿されています。このことから、できる限り早くスタートを切ったほうがよいことが分かるでしょう。
YouTubeは操作性が高く、扱いやすい動画投稿プラットフォームですが、投稿に際しては設定などでいくつか注意すべき点があります。また、動画編集に関しても初心者がやってしまいやすいミスがありますので、以下の解説を参考にしながら、良いスタートが切れるようにしていきましょう。
Gmailアカウントを作成

まずは、Gmailアカウントを取得しましょう。
既に持っている場合はそのアカウントで始めても問題ありませんが、YouTube用に別アカウントを作成しても良いでしょう。Gmailアカウントを作成する際は、上記タイトル部分をクリックして遷移するか、Googleで「Gmail 作成」などと検索します。Gmailアカウントの作成ページが表示されますので、そのページから作成しましょう。
チャンネルを開設

Gmailアカウントの用意ができたら、チャンネルを解説します。
チャンネル名やアカウント画像は、動画を見てもらいやすくするために非常に大切な要素です。できる限り分かりやすく見やすいものを使いましょう。チャンネル概要欄には店舗の詳細やURLを明記します。SNSをやっている場合は忘れずに記載しましょう。
動画を制作

チャンネルの準備ができたら、動画を制作します。
動画制作にあたっては「画質」「字幕」「音声」「カット」などを意識しておくと良いでしょう。スマートフォンで撮影する場合の画質は「1080p/60fps」に設定しておくのがおすすめです。字幕・音声・カットなどの編集をしたら、見やすく最後まで飽きずに見てもらえる動画を目指します。字幕が消えるのが早かったり、BGMが大きすぎたり話のテンポが悪いと視聴者が途中で離脱してしまうので、編集の際はできる限り工夫しましょう。
編集がよく分からない方は、ひとまず競合の動画をいくつか見て、参考にするのがおすすすめです。
アップロード

チャンネルと動画の準備が整ったら、いよいよアップロードです。
アップロードは、YouTubeトップページまたはYouTube Studioから行います。動画の概要欄・タグ付け・公開日時設定など設定項目が複数ありますので、一つひとつ確認しながら進めていきましょう。
また、編集時に気付かなかったミスに投稿後気付くこともよくあります。アップロード直後は「非公開」設定にしたうえで、YouTube上で一度フル視聴をするとミスを防ぐことができるでしょう。
アップロード設定に関する注意点
アップロード設定に関して、まず注意すべきは「子ども向け設定」です。この設定を「子ども向け」にしてしまうと、ミニプレイヤーでの再生ができなくなってしまうので、通常の集客動画であれば「子ども向けではありません」に設定しましょう。
また、初めて動画投稿をする場合は、いわゆるアンチコメントが心配という方も多いと思います。その場合は、コメント設定を「すべてのコメントを保留して確認する」にするのがおすすめです。完全に非公開にしてしまうと、視聴者(ファン)が付きにくくなったり商品の問い合わせなどの質問がしにくくなる恐れがあるため、あまりおすすめしません。
YouTubeを活用して集客する際のポイント

YouTube集客をする際には、効率よく行うためのポイントを抑えておく必要があります。多くの時間と労力を割くことになるYouTube運営だからこそ、効率よく集客が行えるようにしましょう。
前述のデメリットをクリアするためにも重要なポイントとなりますので、ぜひ以下の解説を参考にしてください。
動画投稿を継続しやすい環境づくりをする
YouTube集客は「継続」が重要なテーマです。20〜30本ほどの動画を投稿するまで効果が見えないこともあるため、いかに継続して動画投稿できるかがカギとなります。継続して投稿するためには「撮影・編集作業をスタッフとどのように分担するか」「投稿頻度や動画尺をどうするか」などをあらかじめ決めておくと良いでしょう。
また、繁忙期などで思うように投稿ができなくなる場合も出てきます。「そのためにストックを作るのか」「繁忙期は投稿せずに、無理なく継続するのか」なども決めておくと、投稿できないストレスを感じにくいのでおすすめです。
YouTube集客でもターゲット選定は必須
YouTube集客におけるターゲットを明確にして、どうしたらそのターゲットに見てもらえるかを分析しましょう。
YouTubeは10代以下〜60代以上まで幅広く利用されているプラットフォームのため「どうアプローチするか」を間違えなければ、どんな層に対してもリーチします。まずは「20代の男性」「50代以上の女性」などターゲットを定めて、そのターゲット層が主にどのような動画に興味があるのかなどを分析すると動画内容が定めやすくなるでしょう。
例えば、アパレルで「20代 男性」にターゲットを絞った場合、20代に適したブランドに検索ニーズがあるため、ブランド紹介系の動画を出すとヒットしやすいことが分かります。また、脱毛やヘアスタイルなどファッション以外の検索ニーズも多いため、そうした内容を絡めた動画もニーズがあると推定できるでしょう。こうした検索ニーズは「ラッコキーワード」「Google トレンド」「Google キーワードプランナー」などを用いて調べることができます。
SEO対策やサムネイルの工夫を行う
SEO対策はホームページを検索上位に表示させるための対策を指しますが、YouTubeにおいても検索上位に表示させるための工夫が必要です。例えば、タイトル内にニーズのあるワードを含めたり、動画の概要欄を充実させたり、YouTube Studioで動画ごとに設定できる「タグ」を設定したりすることで、上位表示させる可能性を高めることが可能です。
さらに、サムネイルを工夫すると視聴者にクリックしてもらいやすくなるため、視聴回数が増えやすくなり、結果として上位表示されやすくなります。YouTube上で上位表示されるようになると、Google検索で表示される場合にも上位表示されやすくなるでしょう。
YouTube検索での検索順位とGoogleの検索結果に表示される検索順位は一致しませんが、片方で上位を取れるだけでも視聴回数の増加が期待できるため、SEO対策は必ず行いましょう。
ほかのSNSと組み合わせて集客効果を高める
TwitterやInstagramをはじめとしたほかのSNSとYouTubeを組み合わせるのは、集客効率を高めるうえで必須といえるでしょう。すでに何らかのSNSを運営している場合は、そのSNSでYouTubeの宣伝を行いましょう。
ただし、ほかのSNSえお組み合わせたからといって必ずしも集客効果が高まるというわけではなく、ユーザー属性や使い方によってはまったく効果がでないこともあります。効果を出しやすくする方法として、投稿内容の棲み分けを明確に定めるのがおすすめです。
例えば「YouTubeは商品説明中心にして、Twitterは日々のお店の様子など自店を身近に感じてもらえる内容中心にする」「Instagramは入荷情報やキャンペーン情報が中心で、YouTubeは各スタッフの人柄が分かる内容にする」など、明確に棲み分けて「どちらも視聴したい」と思わせることが重要です。
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